アメリカの学歴・職歴調査のデータバンク

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アメリカでは、学歴や職歴を一元管理する情報機関があり、その データベースにアクセスするだけで採用調査の学歴確認や 職歴確認が完結します。大学や 法人では採用調査のために、逐一 情報照会を受ける手間が省けます。また 採用調査を実施する企業にとっても、情報を一元管理する情報機関にアクセスするだけで学歴や職歴 の確認ができ、利便性が高いです。

日本の信用情報機関の照会システムと同様

日本では、CIC・JICC・全銀協等の信用情報機関が、ローンや債務の一元管理データシステムを構築しています。アメリカの学歴や職歴の一元管理データシステムは、これと同様の仕組みです。実際、The Work Numberと呼ばれる、アメリカの職歴データを一元管理するシステムは、元々債務等の信用情報データを扱っていたEQUIFAXが運営しています。

National Student Clearinghouses (NSC)

NSCは、アメリカの大学や短大の卒業者情報を一元管理し、採用調査時の学歴照会を円滑に実施する為に設立された非営利団体です。NSCは、全米約3,600校の大学と短期大学のネットワークを持ち、全米の大学の97%のデータをカバーしています。この団体の会員になれば、卒業確認はデータ検索だけで済みます。いちいち学校に問い合わせる必要がありませんし、学校側もNSCを通して照会することを推奨しています。NSCの会員の教育機関は、在籍者のデータをNSCに定期的に提供します。NSCの会員の雇用主は、採用時に求職者の学歴確認が必要なとき、NSCから情報開示を受けます。

National Student Clearinghouse (NSC)

URL: https://www.studentclearinghouse.org

NSCの注意点

学歴確認の際、応募者の氏名スペル、生年月日、卒業大学・学部、卒業年月日の情報を提供する必要があります。日本の法人からの依頼の場合、アメリカの学歴の詳細情報がそろっていないことがあり、それが原因で、照会がうまくいかないことがあります。また、アメリカでは、日本人を含む外国人の氏名スペルが微妙に間違って登録されていることがあります。万が一、NSCでの照会で該当が出なかった場合、NSCからは、「本人が当該大学から卒業証明書を取得し、それを再提供すれば再検証します。」と回答されます。この回答は、対象者の卒業確認が取れなかったことを意味しますが、応募者本人にも事故弁解の余地を与えるため、このような対応となります。

公職者の身体検査

採用調査意外で、政治家や議員等の公職に立候補する人物のアメリカでの学歴確認の相談が入ることがあります。ただし、NSCのシステムは、採用時のバックグラウンドチェックの為に運用されています。それ意外の目的での調査では、対象者から調査の同意が得られていないため、卒業該当がなかった場合、本人に卒業証明書を取得させ、再調査する方法が採用できません。従って、採用調査意外の目的での調査には注意が必要です。

The Work Number

The Work Numberは、大手信用情報機関であるEquifadが提供するサービスです。これは、雇用主が求職者の職歴や所得情報を照会するための一元管理データベースです。このサービスの目的は、職歴確認プロセスを効率化と標準化です。これは雇用主が応募者の職歴確認を効率的に行うことができ、求職者個人にとっても職歴証明を簡単に行うことができ、両者にとってメリットのあるシステムです。

The Work Number会員の雇用主が、従業員の在籍期間、職種、給与などのデータを提供します。会員の雇用主は、採用時に求職者の職歴確認を必要とするとき、The Work Numberから情報開示を受けます。その他、金融機関や賃貸物件の家主も、ローン申請、賃貸契約等の際に、個人の職歴確認の情報開示を受けられます。アメリカ全土で、中規模以上の法人はThe Worknumberの会員となっています。通常、ホワイトカラー人材であれば、The Worknumberの照会だけで職歴確認が可能です。ただし、このデータ照会をするには、対象者のID番号(The Work Number)を提供する必要があります。

The Work Number (EQUIFAX)

URL: https://theworknumber.com/

The Work Numberの注意点

この照会を行うには、The Work Numberの会員である必要がります。更に、採用候補者から、The Work Number(ID番号)を取得する必要がります。The Work Numberは、本人意外から取得することはほぼ不可能です。そうした準備がないと、このシステムを利用できません。アメリカでの職歴がある人物を採用する企業では、The Work Numberの知識を持って、応募時にきちんとその番号を取得しておく必要がります。

卒用証明書偽造屋(Diploma Mills)

アメリカでは、Diploma Millsが横行しています。即席に用意したダミーの教育機関を舞台にした認定書や証明書を詐欺的に発行する業者です。また、日本円で数万円程度で、有名大学の卒業証明書の偽造を代行する業者もはびこっています。ディプロマミルは、ハイレベル転職を保証したり、正当な資格として認定される等の誇大広告で、キャリアをよく見せたい求職者の弱みに漬け込んでいます。日本の雇用主は、こうした状況を把握した上で、虚偽や詐欺的な学位や資格証に騙されないよう注意する必要があります。

教育機関のステイタス確認

Diploma Millsの問題もありますし、そうでなくても、アメリカの教育機関を卒用しただけで、無條件に高評価を下すことはできません。その学校のソーシャルステータスやランキングも確認する必要があります。例えば、超有名大学であっても、留学生用の簡易的なカリキュラムがあるとところもあります。また、コミュニティカレッジ等の専門学校に近い教育機関もあります。SATやACTの平均スコア、平均GPA、大学の合格率 (Acceptance Rate)、卒業率 (Graduation Rate)等の指標を確認したり、その教育機関の風評確認したりする等、補強的確認によって、学位の価値を総合的に評価する努力も必要です。

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