中途採用者の採用のミスマッチやリスクを最小限に抑えるためにも、身辺調査は欠かせません。本記事では、中途採用者の身辺調査の重要性をはじめ、具体的な調査方法や違法性について詳しく解説していきます。さらに、探偵に依頼する際にかかる費用についても触れます。これにより、雇用主の皆様が安心して効果的な身辺調査を実施するための知識を提供します。
企業が中途採用者の身辺調査を行う理由
中途採用者は、過去の経験やスキルを活用できる有用な人的資産であるというメリットがあります。一方で、不良人材となる可能性もあり、会社に不利益をもたらす可能性があります。不良人材を採用してしまうと、他の優秀な従業員の退職や、顧客やステークホルダーにも不利益をもたらします。中途採用者の人材品質を厳格に評価することは、会社の責務であると言えます。
中途採用時の身辺調査の重要性
- 適性の確認:前職場での取材等を通して、候補者の適性や能力の評価を確認します。
- 組織への適合性評価:リファレンスチェックを通して、候補者の信頼性やコミュニケーション能力を事前評価し、起用法を調整します。
- リスク管理:バックグラウンドチェックによって、候補者に、過去の犯罪、不正行為、訴訟歴、破産歴、その他のリスク要素を持っていないかを確認します。
- 信頼性の確保:申告された経歴情報の裏付けを確認し、応募者が提供した情報の正確性と信頼性を確認します。
中途採用の身辺調査方法・調査範囲
中途採用の身辺調査は、一般的に採用調査と呼ばれます。更に細かく言うと、以下に分類されます。
- バックグラウンドチェック(関係機関への直接照会、データベース、名簿、過去新聞記事、ネット情報等のメディアサーチ中心)
- 学歴・職歴・資格等の真偽確認
- メディアサーチ、犯歴、運転歴、訴訟歴等のマイナス要素の確認
- 前職調査(前職会社への直接取材が中心)
- 前職での人事データの確認
- レファレンスチェック(前職上司・同僚への取材が中心)
- 前職での関係者の評価確認
- ドラッグ・アルコールテスト(日本国内では稀)
- 呼気や尿サンプルの鑑識で薬物やアルコールの依存症をチェックします。
中途採用で身辺調査を行うことは違法?
法的な規制や制限の範囲内で採用調査を行うことに違法性はありません。厚労省のガイドラインで、差別調査が禁止されているだけです。むしろ、何の調査もせずに不良社員を採用すれば、会社側の過失採用として法的責任を負う可能性があります。
- 調査への同意:原則候補者から調査への同意を得ます。応募書類に同意書を含めるなど、応募段階で候補者の同意を得る工夫をしましょう。不祥事の兆候があって身辺調査をするのなら、対象者の同意のない調査も可能です。
- 能力や適正の調査:能力や適正に関する調査を中心とします。
- 差別禁止:人種、信条、社会的身分に関する差別調査は禁止する。
戸籍調査と労組調査
戸籍調査と労組調査はトラブルの元になりやすいので、要注意です。
戸籍調査
戸籍謄本は国籍や身分証明の為の正式書類ですので、その為に戸籍調査が必要な場合があります。しかし、戸籍には本籍が記載されているため、地方自治体の人権部は、戸籍調査が差別の温床であるという認識を持っています。不正取得の戸籍調査とされないよう最大限の注意が必要です。
労組調査
採用の面接では、労働組合の加入状況や思想信条について聞いてはいけないとされています。もしそのような質問をしたことが厚労省や組合に密告されると、大変な企業リスクです。
中途採用者の身辺調査は自力でできる?
ノウハウやスキルがあれば、人事担当者が自身で採用調査を行うことは可能です。ただし、前述のように、候補者から調査の同意を受ける必要がります。採用調査を外注するにしても、候補者からの証明書や調査同意書の取得は、人事担当者が自ら行う必要があります。人種、信条、社会的身分に関する調査は、ご法度です。
探偵に中途採用の身辺調査を依頼するメリット
プロに任せた方が専門知識と経験があるので、調査効率がいいと思います。また、中立の第三者機関からの客観的な報告が得られます。採用後に過失採用となった場合でも、その報告書が企業側のデューデリジェンスの証拠となります。それと、採用調査は時間的リソースを要しますので、外注すれば、採用担当者の負担を軽減するメリットがあります。
探偵に中途採用の身辺調査を依頼する際にかかる費用
一般的な料金目安は以下の通りです。依頼する具体的な要件や調査内容によっては、費用が大幅に変動する場合もあります。また、調査期間、調査範囲、調査方法、専門技術の必要性などで料金が変わります。
学歴や職歴検証:3万円から10万円程度
バックグラウンド調査(反社歴・訴訟歴、破産歴等マイナス要素):3万円から15万円程度
前職での風評確認・レファレンスチェック:3万円から15万円程度
まとめ
中途採用の身辺調査は、不良人材の回避やリスク管理、組織への適合性評価、適材適所の人材起用法の策定のため重要です。経歴チェックとマイナス要素確認のバックグラウンドチェック、前職の人事データ確認の前職調査、上司や同僚の評価取材のレファレンスチェックなどの手法があります。差別調査でない限り、中途採用者の身辺調査は違法ではありません。調査対象者からの調査同意、適法な範囲での情報収集に留意する必要があります。人事担当者が自力で採用調査を進めることも可能ですが、プロの調査会社に外注する方が効率的な側面もあります。
当社、Japan PIの採用調査は、学歴・職歴の確認、バックグラウンドチェック、レファレンスチェックなど幅広い調査項目をカバーしています。もし、何かお困りのことがありましたら、無料相談を承っておりますので、お気軽にお問い合せください。