慰謝料だけでは調査費用の元が取れないケースがある
「浮気の証拠が取れれば、相手方に慰謝料を請求できるから、先行投資として調査依頼する」という考え方があります。
浮気の慰謝料の相場は、結婚年数や相手の収入によって、大きな差が出ます。一般的なサラリーマンの場合、 請求金額の相場は60万円から200万円程度とされています。 結婚期間が短かったり、収入が少ない人物の場合、 当然それよりも慰謝料が下がります。
探偵業者に一連の浮気調査を依頼すると、相場的に最低、30万円から60万円位の費用がかかります。 金銭的利得だけを考えた場合、浮気調査をそれでも探偵に依頼をして、リターンがあるでしょうか? 先に結論を述べてしまうと、リターンがない場合も多いため、事前によく考えた方が賢明です。その理由を解説していきます。
アメリカでの離婚との比較
アメリカでは、 ほとんどの州で、 「有責配偶者」という発想が撤廃されています。要するに、結婚当事者のどちらが悪いかは問題ではなく、 どちらかが離婚を希望している場合、早く離婚をした方がいいという考え方です。その代わり、お互いの財産を厳密に半分に分割し、財産分与します。「有責配偶者に慰謝料を請求する」という考え方が撤廃されているのです。
日本では、財産分与は「結婚後の共有財産のみ」に適用されます。一方で、アメリカはの場合は結婚前からの財産も含む全ての財産を、お互いに提示し、それを半分に分割する、というのも大きな違いです。
そういった意味で、アメリカの場合、多額の財産がある場合、離婚には相当な覚悟が必要となります。
財産分与の強制執行
さらにアメリカでは、財産分与に関する強制開示や強制執行の手続きが整備されています。 例えば、不倫をして違う配偶者と再婚する場合、アメリカの方が、経済的打撃が大きくなります。日本では財産の強制開示や強制執行に関する法律がずさんなため、財産分与が確実に実行されないケースが多発しています。
日本の浮気の慰謝料
日本では、財産分与があてになりにくいため、有責配偶者に対して少しでも多く慰謝料を請求しようという考え方があります。また、配偶者が浮気した場合、配偶者の愛人に対して慰謝料請求ができるという古風な法律が日本には残っています。浮気相手に対しての慰謝料相場は大きくありません。
しかし、この制度は、浮気相手に対して制裁を加えたり、配偶者との手切れを促すために、利用できます。ちなみにアメリカを含め、海外では浮気相手を訴えることはできない国が存在します。
興信所や弁護士の営業トーク
浮気の証拠を集めれば、 慰謝料が請求でき元が取れるという考え方は、もう一度よく考えた方が良さそうです。それは、探偵や弁護士の営業トークかもしれません。本当にそうなるのか事前によく分析しましょう。
慰謝料請求するには、弁護士を雇う必要があります。そうなると、探偵業者の費用は30万円程度までに抑えた方が無難です。 単に経済的なリターンを求めるのであれば、弁護士費用と探偵の費用で、100万円以内の出費に抑えられるのが理想です。
まとめ
これまで、実質的利益を求めた場合の浮気調査費用について解説してきました。もしあなたが金銭的なメリットよりも、単に不安を解消するために浮気の有無を自己負担で調査したい場合、探偵業者の品質や相性を見定めることだけがポイントです。