今回は、インフルエンサーマーケティングを導入する際の注意点について、日頃から採用調査や信用調査などを行なっている探偵の目線で解説します。
インフルエンサーマーケティングは、従来の広告手法に比較して、情報の拡散効果が高いメリットがる一方、ネガティブな情報も瞬時に拡散し、炎上リスクがあるというデメリットがあります。さらに、専門のマネジメント会社がバックついている著名人や芸能人よりも、個人のインフルエンサーの場合、投稿についての十分なリスク管理対策がされていないため、炎上リスクがより高いと言えます。
その意味で、インフルエンサーを起用する前に、デューデリジェンスを行うことが重要です。十分なチェックをしないまま、インフルエンサーを起用すると、大きなリスクを背負う可能性があります。
インフルエンサー起用の注意点
以下、広告に起用するインフルエンサーを選定する際の、一般的なチェック項目について列記します。
- 過去のインフルエンサーキャンペーン
- 過去のキャンペーンをチェックして、インフルエンサーのパーソナルブランドが、広告したい商品やサービスと一致しているかチェックします。
- 価値観の確認
- インフルエンサーの価値観(コアバリュー)を確認し、それが、広告企業の価値観と一致しているかよく見極めます。
- ターゲットオーディエンス
- 統計資料等を使い、インフルエンサーのターゲットオーディエンスが、広告したい市場と一致しているかを確認します。
- フォローとエンゲージメント
- フォローとエンゲージメントの内容を精査して、企業広告に最適か確認します。
- 良質なコンテンツかどうか
- 量より質が重要であり、投稿数の多さではなく、良質なコンテンツを配信しているかを見極めます。
- 特定の目標と過去のROI
- 目標を明確にして、同様のブランドやパートナーシップでの過去の結果について確認します。
- パフォーマンスデータ
- 過去のキャンペーンの数値、データ、結果を確認して、インフルエンサーがクリック数と売り上げアップの為のプロモーションまで実行できるか見極めます。
リスク管理のチェック項目
次に、選定された候補者のインフルエンサーについて、最終的に、起用するかどうかを判断する時のチェック項目を列記します。
- 過去の評判の確認
同様の広告案件の実績について、過去の顧客の評判を確認します。
- ソーシャルメディアアカウントの深掘り
他の広告案件の多寡や、フォロワーが広告企業とのパートナーシップを高く評価していかを確認します。
- ステマリスク
- #PR や #ADなどのハッシュタグを付けず、広告やPR活動であることを明示していない投稿がないかを確認します。
- 不適切な投稿
- 個人情報の流出や誹謗中傷の投稿がないか確認します。
- ドラッグの使用、および使用を匂わせるような投稿
- 誹謗中傷
- LGBT・男女・人種差別
- 迷惑行為(不適切な場所での撮影等)
- アダルト系、小児性愛など
- デマ情報 (コロナ陰謀説、科学的根拠の無い薬など)
- 宗教団体との関連
- いじめ行動
- 個人情報の流出や誹謗中傷の投稿がないか確認します。
- バックグラウンド調査
- ネガテイブな履歴(反社、民事訴訟、刑事訴訟、破産倒産、炎上歴等)がないかを確認します。
- 裏アカウントの確認
- 匿名の裏アカウントが表のアカウントから、不用意にリンクされていないかを確認します。
- 出身地、誕生日、電話、電子メール、実名アカウントのフォロワーや友人などとのリンク、写真、投稿のくせ等で、裏アカウントが簡単に辿れる状態になっていないかを特に確認します。
- 匿名の裏アカウントが表のアカウントから、不用意にリンクされていないかを確認します。
デューデリジェンス(第三者による監視体制)も有効
独自のリスク管理チェックが難しい場合は、探偵・興信所などのリサーチ会社に業務を委託することもひとつのソリューションです。プロの探偵であれば、リサーチのノウハウがあり、オンライン以外での訴訟歴等のバックグラウンド調査、アカウントの深堀チェック、裏アカのチェック等まで、総合的なデューデリジェンスに対応可能です。