家族が行方不明になって、捜索願やソーシャルメディアを利用した人探しを実行した具体的な事例があありますのでご紹介します。
失踪者の背景
2021年6月27日、愛知県一宮市の、接客業の加藤しのぶさん(当時48歳)が、行方不明になりました。失踪当日、加藤さんは、彼女の息子と会う約束をしていたののに、突如連絡が取れなくなりました。その後、東京在住の加藤さんの息子さんが、警察へ捜索願を提出し、自身でも、TwiiterやYouToube等のソーシャルメディアを利用して、捜索活動を行いました。加藤さんは、母子家庭で、一人息子を育て、関東のデリバリー風俗店で住み込みで働いていたとのことです。
警察の捜索願
2021年7月に、加藤さんの息子さんが、警視庁小金井書に捜索願を提出しました。警視庁は、加藤さんが知人との待ち合わせをすっぽかしたり、運転免許証を更新していなかったり、不審点があり、緊急度の高い失踪事案として処理しました。携帯電話のGPS位置情報、関係箇所の防犯カメラ映像、通話履歴、銀行口座やクレジットカードの利用履歴、通話歴の関係者への任意事情徴収等を進めました。ただし、刑事事件としての捜査となると、判明事項は捜査上の秘密となり、捜索願提出者の息子さんにも事件捜査の経過を詳細に通知できなくなります。
人探しのTwitter
加藤しのぶを捜索しているTwitter(拡散希望)
https://twitter.com/93hdtjtarnv0uat?lang=ja
6/27にJR三鷹駅近くのリッチモンドホテルを10:58にチェックアウトを最後に失踪しました。
加藤さんは、仕事で愛知から東京へ来た際に、息子さんとライブへ行く予定だったそうです。
加藤さんの息子さんは、警察署の事件捜査の進展がなかなか得られず、警察への不満をTwitterに記載していました。刑事捜査中である為、警察は捜査上の秘密を部外者に語れない事情がありますが、失踪者の親族は当然やきもきします。息子lさんは、有名YouTuberにも相談し、加藤さんの同僚だった視聴者から、彼女が勤務していた風俗店の店名の情報提供を受けたようでした。
警察の捜査
2021年6月27日午前10時58付に、加藤さんは、JR三鷹駅近くのリッチモンドホテルをチェックアウトしたことがわかりました。その後、被害者の携帯電話と通話歴のあった関係者への任意聴取を通じ、加藤さんは、デリバリー風俗店の男性顧客で薬物中毒者があり、その男性に無理やり薬物を打たれそうになっていると風俗店の同僚に漏らしていたことがわかりました。つまり、加藤さんは薬物トラブルで消された可能性が高いことがわかりました。
薬物中毒の男性顧客
加藤さんは、失踪直前、元暴力団員で薬物中毒者の井上大輔容疑者と埼玉県内のホテルにいたことが確認されました。井上容疑者は、すでに、別の覚醒剤取締法違反事件で逮捕され、網走刑務所に服役中でした。
死体遺棄の証拠
加藤さん失踪事件の主犯は、元暴力団員の井上大輔容疑者であることがわかりましたが、彼が加藤さんの遺体をどうしたか物証がつかめません。警視庁が地道に捜査を続けました。加藤さんの遺体は、2021年9月まで、埼玉県内のコンテナに一時保管されていました。その後、井上容疑者とその共犯者が、袖ケ浦ナンバーの2トントラックのレンタカーで、秋田市内に運び、雑木林内に勝手に埋めました。その後、井上容疑者の妻が、雑木林の土地を購入しました。
秋田で遺体発見
2023年5月に、警察の捜査で、加藤しのぶさんの遺体が秋田市内の雑木林で発見されました。死体遺棄の主犯は、元稲川会系暴力団員の井上大輔容疑者(48)で、死体遺棄の共犯として、井上容疑者の元妻の土岐菜夏容疑者(34)、菅原和宏容疑者(44)、飯田翔容疑者(29)、住居不定の下田陸朗容疑者(26)の5人が逮捕されました。菅原容疑者は、主犯の井上容疑者が勤務していた引越し屋の店長でした。他の共犯者は、加藤さんの遺体の保管運搬や遺棄を手助けしました。
まとめ
親族が失踪したときの対処法として、ソーシャルメディアを利用して、情報提供を呼びかける方法が以外と有効であることを示す事件を紹介しました。このような死体遺棄事件では、探偵業者としては、GPS位置情報、防犯カメラ映像、預金履歴、クレジット履歴、携帯の発着歴等のアクセスできないので、警察の捜査に比較して、やれることが限定されます。依頼者側のソーシャルメディアでの情報提供で、対象者の関係者が浮上すれば、関係者に任意事情聴取する等の手法は実行可能です。
人探しのニーズがありましたら、お気軽のご相談ください。