興信所・探偵に調査依頼をするうえで「どこまで調べられる?」「どちらに依頼すべき?」と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
調査方法や調査可能な範囲は、興信所・探偵業者に定められた法律で規制されています。法律に基づいて調査を行う必要があるため、違法になる依頼内容は調べられません。
今回は、興信所・探偵が調べられる内容・範囲について詳しく解説します。興信所・探偵どちらを選ぶか迷った時のポイントも紹介するので、依頼先を決める際の参考にしてください。
興信所・探偵はどこまで調べられるのか?
興信所・探偵が調べられる範囲や調査方法は「探偵業法」によって定められています。そのため、探偵業法に違反することが考えられる調査はできません。また、探偵業法で認められていない方法での調査も違法となります。
例えば結婚調査では、相手の職歴・離婚歴・異性関係などは調査可能ですが、一族の出身地を調べることや戸籍謄本の入手などは違法となるためできません。
このような調査可能・不可能を定める探偵業法について、次の項目で解説します。
業務範囲を規定する「探偵業法」
探偵業法は、業務・運営の適性を図り、個人の権利や利益の保護を目的に定められた法律です。
興信所・探偵業における調査内容の方法・範囲は、探偵業法第二条で以下のように定義しています。
第二条 この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいう。 引用:一般社団法人全日本総合調査業協会 探偵業法第二条
このように、探偵業法では主に聞き込み・尾行・張り込みによる実地調査が認められていることから、依頼に応じて対象者の所在や行動などに関する調査が可能です。ただし、興信所・探偵の業務は法律に基づいて行う必要があるため、次に解説する調査は違法となります。
興信所・探偵が実施すると違法になる調査とは?
興信所・探偵が実施すると違法になる調査は以下の通りです。
- 違法手段による調査
- 犯罪行為による調査
例えば、住居不法侵入や器物破損、周囲に不安や恐怖を与えるような調査は違法・犯罪行為となります。また、本人や家族しか取得できない戸籍謄本や、第三者へに開示してはならない金融機関の情報などを入手することも違法です。中には違法な調査を行う業者も存在するため、依頼前によく調べ見極める必要があります。
探偵業法の規定により、興信所・探偵業者は公安委員会への届出が必要です。違法でない適正な業務を行っているかどうかは、公安委員会から届出証が交付されているか、行政処分を受けていないかといったことで判断できます。
興信所・探偵に依頼できる調査内容
興信所・探偵に依頼できる主な調査内容は以下の通りです。
現代において興信所・探偵業にはほとんど差が無いため、どちらに依頼しても調査可能です。ただし、各調査業者によっては調査分野が限定されていたり、得意分野があったりする場合も少なくありません。
そのため、事前に調査業者の詳細を調べ、依頼内容に適したところを選ぶことが重要です。
興信所・探偵には依頼できない調査内容
興信所・探偵に依頼できない調査内容は、以下の探偵業法第九条で定められています。
第九条 探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。 引用:一般社団法人全日本総合調査業協会 探偵業法第九条
このように、犯罪行為や差別行為・違法行為につながる恐れのある調査内容は、探偵業法違反となるため興信所・探偵で取り扱えません。具体的な内容は以下の通りです。
- 対象者の出自・個人情報が差別につながる恐れのある調査
- 対象者へのストーカー行為を目的とした所在調査
- 対象者がDVから逃れている場合の所在調査
上記の他、反社会勢力からの依頼も取り扱えません。このような調査は、はじめから依頼者が差別目的・ストーカーやDV加害者・反社会勢力だと分からない場合もあります。しかし、調査途中で分かることがほとんどであるため、判明した時点で調査を中止します。
実際に興信所・探偵の調査ではどこまでわかるのか?
興信所・探偵の調査ではどこまでわかるのか、身辺調査を例に解説します。
身元調査が行われるケースは、主に以下の通りです。
- 婚約者に嘘や隠しごとがないか調べるため
- 配偶者の浮気相手を特定し証拠を押さえるため
- 就職・転職時に企業が応募者の採用可否を判断するため
- 人を探すため(遺産相続・親族・失踪など)
- ビジネスシーンにおける信用調査のため
このような身元調査では、名前や住所などの他どこまで調査できるのか、詳しく見ていきましょう。
名前・住所
名前や住所の調査は、浮気相手の特定や人探しのケースで行われます。
主に聞き込み・尾行・張り込みの方法を用いて、複数人の調査員で行うのが一般的です。対象者の証拠を押さえるために、盗聴・盗撮機器を使用したり、許可なく敷地内に入ったりするのは違法となります。
素行(人間関係・評判)
対象者の素行について、家族関係や異性関係・周囲からの評判・借金の有無などを調査します。
例えば、結婚前に婚約者の過去に婚姻・離婚歴が無いか、現在他の交際相手がいないかといった内容です。他にも、周囲の人間関係は良好か・トラブルを起こしていないか、反社会勢力との関わりは無いかなども調査します。
ただし、戸籍謄本の入手や借金の具体的な金額を調査することは、違法となるためできません。
経歴(学歴・職歴)
現在・過去の学歴や職歴に嘘が無いか調査します。
近年はマッチングアプリを利用した出会いも増えており、相手が経歴を偽る可能性も少なくありません。婚約者の経歴が本当かを結婚前に確認するために行われるケースがあります。
また、企業の採用時において応募者の経歴が本当か、信用できるかどうかを確認することも目的です。
興信所・探偵を選ぶポイント
興信所・探偵を選ぶポイントは、以下の通りです。
- 依頼内容が業者の得意分野とマッチしているか
- 調査料金は適正か
- 信頼できる業者か
探偵業法が制定されて依頼、興信所・探偵の業務にはほとんど差が無いため、どちらに依頼しても問題ありません。
しかし、業者によって得意分野・不得意分野があるのも事実です。得意分野の業者に依頼することで、短時間で調査が終わり費用が安く済むケースもあります。希望の調査結果を得るためにも、得意分野と依頼内容がマッチする業者を選びましょう。
調査料金は、時間制・パック制・成功報酬型など業者によって設定されています。複数の業者と比較し、適正な料金だと判断できるところを選ぶのもポイントです。最終的な候補は1つでなく複数に搾り、無料相談で信頼できる業者か判断したうえで依頼先を決めましょう。
まとめ
今回は、興信所・探偵がどこまで調査できるのかについて解説しました。
興信所・探偵の調査方法や内容・範囲は、探偵業法によって定められています。主に尾行、聞き込み、張り込みによる調査が認められていますが、犯罪、差別、違法行為などにつながる調査はできません。
興信所・探偵に依頼する際は、探偵業法に基づいて調査を行うことを踏まえ、依頼内容が調査可能か判断しましょう。併せて、事前に各業者の得意分野や料金などを調べ、信頼できる業者を選んでみてください。
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