事件概要
ドイツに留学中の22歳の娘の両親から、娘の婚約者について身辺調査の依頼がありました。婚約者は27歳のドイツ人男性ですが、娘を通じてドイツでの生活費の無心をしてきていました。両親は心配で、婚約者の身元を確認したいということでした。
ドイツ人婚約者についての事前情報
婚約者については、氏名・生年月日・現住所と身分証のコピーがありました。娘はすでに、婚約者のドイツの自宅で同棲を始めていました。
依頼者からの相談を受け、基本的な身元確認と家族状況や離婚歴、破産や借金、訴訟や犯罪歴等の確認を進めることになりました。
ドイツ人男性の身辺調査
まず、基本的な身元情報に関して、男性からの申告に偽りはありませんでした。提供された氏名、生年月日、住所で警察署に情報が登録されていると確認できました。
自宅となっている物件は共同住宅で、Googleストリートビューで見る限り、老朽化してみすぼらしい雰囲気が漂っていました。家族と同居の記録している記録はなく、登録上は1人暮らしとなっていました。
無職の多重債務者
金銭面に関してはネガティブな記録が多数見つかりました。過去に複数の債務について支払不能に陥った記録や、破産の記録が確認されました。
職歴に関しても、約1年前から無職であることが確認されました。調査報告の約1か月前にも、債務不履行の審判が出ており、経済状況が苦しいことがわかりました。依頼者側に金銭の無心をしたのは、そうした背景があるからだったものと思われます。
元恋人は未婚のまま子供を出産
そのほかに、家族情報としては、対象者は以前ドイツ人女性との間に未婚のまま娘ができていたことがわかりました、この娘は当時4歳でしたが、対象者とは同居しておらず、元ガールフレンドと同棲していることがわかりました。
その娘に対象者が養育費を支払っているかは判明しませんでしたが、協力体制を取っていたドイツの探偵業者が言うには、養育費を支払わない事例はドイツでは珍しくないとのことでした。シングルマザーであっても、政府から養育費の支援が受けられる制度があり、父親からのサポートがなくてもやっていける国情なのかもしれません。
依頼者への報告
調査で判明した事項を日本語に翻訳し、依頼者へ報告しました。依頼者はその報告書を早速娘に贈り、対象者との交際を考え直すように説得するとのことでした。
依頼者の娘は、勝手のわからない外国において、無職で多重債務者の男性と同棲しているわけです。我々の調査を受けて、本人も先行きが不安になるだろうと思われました。
娘の一時帰国
しばらく経ったのちに、依頼者から経過報告が入りました。
我々が調査報告書を依頼者に提出したあと、依頼者の娘は一度日本へ帰国しました。依頼者の娘は両親から探偵会社の調査結果を聞き、考えを改めたようでした。さすがに、内縁関係の間の子供があり、無職で多重債務者の男性とは結婚できないと改心したようです。
これで一件落着と、我々は調査結果が依頼者の目的を達成したことで、充足感を味わっていました。
無職のドイツ人と駆け落ち
しかし数日後、依頼者から再度連絡がありました。娘は何も告げないままドイツへ戻ってしまったとのことでした。しかも、彼女は実家の母親が隠していたタンス預金を持ち逃げし、我々が報告した調査報告書もPCから全て削除していました。
さらに、今度は対象者本人から、我々Japan PIに直接eメールで連絡が入りました。ドイツ人の彼は、我々が報告した調査結果は全て間違っていると主張していました。依頼者側にも、同じ内容のeメールが彼から送られていたようです。
我々は、ドイツの探偵業者に再度確認を行いました。男に関する情報は、すべて公開情報をもとに情報を収集しており、報告情報に何の間違いもないと回答を得ました。
娘は未成年ではありませんし、自分の意思で駆け落ちしたわけです。我々としても、それ以上は何もすることができません。シェイクスピア劇の『ベニスの商人』では、Shylockの娘のJessicaが、父のShylockがユダヤ人であるが故にひどい差別を受けている中で、Shylockの財産を持ち逃げし、異教徒の男性と駆け落ちするシーンがあります。
いつの時代も、若者は大人の常識に縛られることを好みません。体験を通じて自分で人生を学んでいくしかないのでしょう。
海外調査はJapan PIにお任せください
近年、出会い系サイトなどのマッチングアプリが増えたことにより、素性が分からない外国人と関わる機会も増えるでしょう。なお、今回ご紹介した調査の費用は、30万円です。Japan PIでは、海外の探偵業者と連携して調査することで、気になる人物の身辺情報を明らかにできる場合があります。