探偵による素行調査の聞き込み方法・ テクニック

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「聞き込み」は、探偵が使用する素行調査方法のひとつです。探偵の聞き込みは、多くの場合、肩書や目的をカモフラージュした方法で行われます。これは専門用語で「内偵調査」と呼ばれます。調査対象者に、調査されていることを気づかせないように調査をする、という意味です。本記事では、探偵の視点から、具体的な例を挙げながら聞き込みの方法について解説します。

プロの探偵による聞き込み調査方法

探偵の聞き込みは、多くの場合、肩書や目的をカモフラージュした方法で行われます。これは専門用語で「内偵調査」と呼ばれます。調査対象者に、調査されていることを気づかせないように調査をする、という意味です。

関係者への聞き込みでは、関係者と面接を行い、調査対象者についての以下のような情報収集を目的とします。

  • 人物評価コメント
  • 個人や組織の背後の情報
  • 経歴の確認
  • 関係先や人脈等

身辺調査

特定の人物に関する情報を収集するために行われる調査です。雇用主が応募者のバックグラウンドや経歴を調査する場合や、個人がビジネスパートナーや恋人などの人物について情報を知りたい場合に行われます。

行方不明者の捜索

行方不明になった人物を捜索するために、関係者に聞き込みを行うパターンがあります。探偵は証拠や目撃情報を集め、行方不明者の居場所を特定していきます。

市場調査や特許権や商標権の調査

特定の商品やブランドに対しての評判や動向を関係者に取材する場合にも、聞き込みが行わます。

また、模造品の製造元の特定の調査で、関係会社への聞き込み調査が行われることがあります。

肩書や目的の設定が聞き込みの第一段階

スポーツで言えば、肩書偽装や目的偽装はフェイントのようなものと例えることができます。目的を達成する為に、必要不可欠なスキルです。案件毎に、どのような肩書を使用し、どのような目的で聞き込みを行っている設定にするか考えます。このように、どのような聞き込みを行うかの設計が、仕事の重要な位置を占めています。

どの方法がうまく行くかは、相手によっても違います。中には、偽装的な要素は全く入れず、すべてストレートな設定で聞き込む場合もあります。そういう意味で、どの設定が正解なのかを一概に決定することはできません。あくまでも、どの案件に従事する際も、成功率を最大限に高める為に、どういう設定で聞き込みをするかを常に考えることが重要なのです。

肩書偽装と目的偽装の具体例

例えば、中小企業の従業員、男性Aについての身辺調査で、彼の風評に関して聞き込みを行う場合を具体例として、肩書や目的をどう偽装していくか考えていきましょう。実際の依頼者は交通事故の被害者で、男性Aがその事件の加害者です。示談で損害賠償が決定しているのに、男性Aがそれを履行しないため、男性Aの現状把握の為に主に近隣者からの風評確認の調査依頼を受けています。男性Aには、配偶者Bがいることがわかっています。

肩書や目的の設定に関しては、どれが正解ということはありません。また、途中で流れが変わることもありますので、臨機応変に対応することが基本です。その意味で、実際の聞き込みの前に3パターン位用意しておくのがよいでしょう。

パターン1:融資の審査を装う

「ローン会社(ノンバンク)からの依頼で、融資の審査のための風評確認を行っています。Bさんが今回保証人として名前が出たので、審査対象となっています。」といったように、「融資の審査」というキーワードを使用します。

「融資に関して、担保不動産などがないため、近隣者からの風評で『反社会的勢力と関係がある』というような噂がないか、確認させて頂いています。」というような言い回しでも良いでしょう。

パターン2:ヘッドハンティングを装う

「ヘッドハンティングの会社からの依頼で、Aさんについて現地確認を行っています。この方は優秀なエンジニアなのですが、引き抜いて雇用した場合に問題行動がないかどうか、近隣者からの風評を確認させて頂いています。」といったように、あくまで対象が優秀な人物であり、引き抜きというポジティブな動機に基づく調査である、と言うこともあります。

「反社会的勢力との関係の噂などがないかどうか、人間性に問題ないかどうかなどを確認させていただきたいです。」といった確認も有効です。

パターン3:親族からの依頼を装う

「Bさんの旦那さんの親族から依頼された、Aさんに関しての人物調査です。Bさんの親族が、Aさんの素行について心配しています。Aさんの家庭の事情や親族に問題のある人物がいないか、確認させて頂いています。」といったように、「Bさんの親族からの依頼」という方法もあります。

最初から質問を並べすぎると、聞かれた人物は警戒します。こちらから既に分かってることを話し、相手が知らない情報を漏らすのではなく、問題がないかどうかだけ回答すればよい、という安心感を与えることが大切です。近隣者なら、常識的に分かっていることだけを話せばよい、という雰囲気を作ります。

聞き込みのテクニック

聞き込みには、高度なコミュニケーション能力が必要です。被取材者に対する心理的配慮が必要な一方、話をしてもらうようまで諦めない粘り強さも必要です。

以下、一般的な聞き込みのテクニックについてご紹介します。

心理的揺さぶり

人間には、生来、褒められると否定したくなる心理や、間違ってることを訂正したくなる心理があります。これをうまく聞き込みの中で利用します。

「Aさんは頭脳明晰な方で、外国語も堪能なようですね」、とか、「Aさんは、優秀なエンジニアで素晴らしい人のようですね」などと、わざと褒めると、聞かれた人が反動で話しやすくなります。間違っていることを訂正したいという欲求を刺激して、真相を聞き出すというテクニックです。

直接質問をなるべく避ける

取材の時にはなるべく直接的な質問は避けます。「〜ですか?」と直接質問が何回も連続すると、疲れた人は尋問されているように感じ、不快感を持つ可能性があります。また、全て話していいのかどうか、不安になる部分もあります。ですので、推測したことをかまかけで言葉にして。被取材者にぶつけるようにします。

例えば、「Aさんは多重債務になってしまって、家を売却しないといけない状況になったんですね?」など、誘いのジャブを打ちます。もしそれが当たっていれば、聞かれた人が説明を補足してくれます。外れている場合はそんなことはないですよ、訂正してくれます。

押したら引いて世間話をする

きわどい個人的な話が連続すると、聞かれた人も全部話していいか、不安になって緊張してきます。緊張をほぐすために、「ちなみにこの辺りは水産業が盛んなんですか?」「この周辺は、2011年の大津波の時、被害を受けましたか?」など、地元に根付いた質問をすることもあります。あるいは、「コロナウィルスの影響はありますか?」など、その時の一般的な話題を振るのも有効です。それで一回緊張を聞くことによって、地域性や地元での生活状況について、一般的な知識も得られます。対象者がその地域に居住しているわけですから、地域性の情報も報告書に入れれば、より詳細な報告ができます。

また、世間話をしている間に、聞き忘れていたことを思い出すことができます。また長く話せば話すほど、お互いに信頼感ができてくるので、突っ込んだ質問がしやすくなるメリットもあります。

世間話のあとは、再び攻めに転じる

ある程度世間話が進んだら、今度は「そういえば、対象者のAさんはは水産関係の仕事をされてますね?」などと話題を転換して、本題に戻ります。あるいは、「Aさんの奥さんは、ものすごく美人で有名な方ですよね?」と言ったように一度かまをかけて、誘導尋問を行います。褒めると否定したくなる心理反応を利用して、対象者の過去の職歴についての情報収集を試みます。

聞き込みの極意

以下、熟練の調査員が語る聞き込みの極意について、列記します。

  • 被取材者の態度が腹立たしくても絶対に怒ってはいけない。相手の不満に対しては、素直に謝る。しかし、目的を達成するまでは、絶対に引き下がらない覚悟を持つ。
  • 相手からどんなに不機嫌な対応を取られても、こちらは絶対に感情的にならず、謙虚な低姿勢を貫く。しかし、話が聞けるまで粘る。「私はこれを聞かないと、帰れないんです」と訴えかける。
  • 調査の背景や依頼者の目的を説明し、なぜその情報が必要なのかを説明する。そして、被取材者に調査の意義を理解してもらい、信頼を得る。
  • 例えば、地方で取材をする時も東京から来たことを公言する。わざわざ東京から来たということで事の重大さが伝わったり同情されたりする。
  • 探偵と名乗ると取材者が関心を示して、どんな仕事するんですか”などと聞かれ好奇心を持たれる。それには、積極的に答え、打ち解ける。しかし、「私が聞きたいことににも答えてくださいね」と話交換条件に持ち込む。
  • 人物調査で、過去の住所で聞き込みを行う場合は、事前に古い住宅地図を各地方の中央図書館で確認し、古くからの居住者をピックアップして、彼らをに取材する。過去の状況は、古くからの居住者しかわからない。
  • 相手が不在の時もあるが、とにかく粘り強く何度も足を運ぶ。
  • どんなに小さな情報でも、情報をもらえたことに感謝する。「それを聞けて、ここまで来た甲斐がありました」と話、相手に感謝する。被取材者は、感謝されれば、気分がよくなり、より多く話してくれる確率があがる。

まとめ

探偵の聞き込み調査は、高度なコミュニケーション能力と、スキルと経験が必要な調査方法です。

取引、採用、資産調査、交際、市場調査等のジャンルで聞き込み調査が必要となります。

ただし、個人情報の意識が高まっている現代では、昔に比べると聞き込み調査がうまくいきにくい環境となっています。そのため、現代では、行動調査、データ調査、オープンソースインテリジェンス等、他の調査方法との組み合わせで、聞き込み調査が最も効果を発揮する場面に限定して、聞き込み調査が行われています。

聞き込み調査は、専門用語では、ヒューマンインテリジェンス(Human Intelligence = HUMINT)と呼ばれます。やはり、人からの伝聞情報でしか得られない情報ジャンルがありますので、適切に聞き込み調査を活用すれば、調査の成果に大きなな差が出てきます。

当社、Japan PIは従業員の不正調査から浮気調査まで、幅広い素行調査を提供しています。もし何かお困りのことがありましたら、無料相談を承っておりますので、お気軽にお問い合せください。

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