PMCの新たな台頭 ‘レドーゥート’

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PMC

現代の戦況を研究するうえで欠かせない要素がPMC(Private Military Company)と呼ばれる民間軍事会社だ。今夏、ロシア最大のPMCワグネルの代表エフゲニー・プリゴジンが反乱を起こしたことは記憶に新しい。プリゴジンは搭乗機の墜落で死亡しワグネルは解散状態になったが、その直後、PMCの次の動向にイギリス国防省が警戒している。そもそも、なぜ正規軍がいる状況で傭兵が招集されるのか?PMCの存在はどんな目的があるのか?新たに言及されるPMC「レドゥート」から考察しよう。

レドゥートについて概要は以下のとおり
・元ワグネル兵が招集されている
・GRUから資金提供されている可能性が高い
・既に同社は7,000人以上の人員を擁している模様

2023年10月21日イギリス国防省のXポストより

■10/15 イギリス国防省Xポスト
レドゥートと呼ばれるPMCが元ワグネル兵を含め、志願兵を募集していると発表された。同社はGRUが管理、出資の可能性が高いとされている。レドゥートは既にドネツク、ハルキウ、キーウ、ルガンスクでの戦闘に携わったとされ、7,000人以上の要員がいる。
この民間軍事会社から正規兵を招集するという方法は、直接市民に呼びかけず徴兵ができるため支持率を落とす動員を回避できる。

■10/30 イギリス国防省Xポスト
ロシアSNS広告でレドゥートが女性兵の募集した。ウクライナの戦闘要員としての女性兵は初で、狙撃手やドローン操作兵として採用される。ショイグ国防省は現在配置されているウクライナでの女性兵は1,100名、これは総数の0.3%であり医療や給食といった後方支援が主であると述べた。
イギリス国防省は、今後女性兵が戦闘に参加するかまだ未知数であるが、ソ連時代から狙撃手やその他の戦闘部隊で活躍する女性兵は存在したと見解を述べた。

以上の情報をまとめると、多くの戦地に関与し元ワグネル兵も在籍することから、一定以上の戦力を持つことが窺える。実質、当局の管理下におかれているので「民間軍事会社」という表面を見せながら、半官半民の戦闘部隊だ。背後関係を常に意識して動向を見る必要がある。
半官半民という概念は日常で言えば「第3セクター」がよく用いられるだろう。県と民間が一体化した企業で知事が代表に就くケースが多くある。実は、外国企業からすれば知事が社長をするという体系が異質であり、よく企業調査の対象となることがある。よく行政と資本の動向を調べる必要があり、イギリス国防省も似たようなことをしていると感じる。

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