新宿・歌舞伎町と裏社会|東京の探偵

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Kabukicho

新宿の歌舞伎町は、日本最大の歓楽街です。新宿駅の東側にあり、駅からは徒歩で10分ほどかかります。『不夜城』、『新宿スワン』などのフィクションの舞台としてもよく登場します。今回は、新宿に本社を置く探偵ならではの視点で、調査上の注意点などを説明いたします。

2020年現在・歌舞伎町の現状

闇社会の片鱗

歌舞伎町も、表向きは観光地化していて、ただ街を歩いてる分にはさしたる危険はありません。しかし、歌舞伎町には、ヤクザの事務所も多数あり、ぼったくりバー、闇風俗店、闇カジノ、麻薬密売もはびこっています。こうした闇商売の手先となっているのが路上に立っている客引きです。

また半グレが関与する風俗店やホストクラブも多数あります。半グレは既存のヤクザと共存している場合もあれば、利益が相反し抗争となっている場合もあります。探偵業者として歌舞伎町の調査に関与する場合は、闇社会の実態を把握し、自己防衛をする必要があります。

客引き・キャッチの巣窟

歌舞伎町エリアの中心部にある区役所通りの両サイドの地区に、キャバクラ、高級ラウンジ、風俗店、ホストクラブなどが密集しています。この地域には多数の客引き(キャッチ)がいて、通行人を待ち構えています。迷惑防止条例で客引き行為が禁止されているため、強引な声かけは減少しました。しかし区役所通りでは依然として多数の客引きでごった返しています。また、外国人や黒人による客引きも多数混じっています。

行動調査で対象者が風俗営業店に立ち寄ると、尾行を行う探偵調査員は、客引きの声かけに悩まされることになります。特に黒人の客引きは積極的で、何度も周回しながら獲物を漁ります。黒人の客引きは、西側諸国の遊び客には英語で対応でき、日本語もうまく話せる者もおり、重宝されているようです。

黒人の客引きの多くは押しが強く、断っても何度でも話しかけてきたりします。いちど話をしてしまうと、なかなかその場を立ち去らなくなるため、日本語が分からない中国人のふりをするなりしてうまく対処したいところです。

同じ所にずっと張り込んでいると黒人の客引きが目ざとく異変を察して、警戒してくる可能性があります。客引きの前で、対象者の写真撮影などをして見つかると、余計なトラブルとなる可能性があります。

巨大ラブホテル街

歌舞伎町の北側の一角(歌舞伎町2丁目)は広大なラブホテル街となっています。ラブホテルでの張り込みの場合、車両で張り込みができる場所は限定されています。立地によって臨機応変に対応せざるを得ません。歌舞伎町のホテル街では警察が定期的にパトロールしています。浮気調査の張り込みをしていると、パトロールの警察官に職務質問される可能性があります。

ホストクラブ

深夜24時以降はホストクラブが動き出す時間帯です。深夜に営業を終えた風俗嬢やキャバクラ嬢などがホストクラブに集まり出します。ホストクラブは、早朝5時ぐらいまで活発に営業します。

早朝の5時から8時ぐらいにかけて、ホストクラブの閉店後、ホストと客の女性達が、路上でたむろしたり、ふらふら歩いている光景が見られます。このように歌舞伎町では昼と夜が逆転しており、日中は人通りもまばらでしらけた空気が流れています。

新宿歌舞伎町・ヤクザMAP

歌舞伎町周辺は指定暴力団住吉会のシマと言われています。しかし、実際には色々な系統の暴力団が事務所を構えており、半グレ集団の勢力が拡大していることもあり、混沌とした状態となっています。拠点を公表せず、看板も表札も出さない、暴力団事務所やフロント企業、半グレの拠点も急増し、裏社会のマフィア化が加速度的に進行しているのが現状です。

薬物中毒者の間で新宿の薬局と呼ばれる、違法薬物販売を得意とする暴力団事務所もあります。また違法カジノ専門とする暴力団事務所もあります。また、地元ではヤクザマンションと呼ばれている、ヤクザ、半グレ、キャッチ、スカウト、ホスト、外国人風俗従業員等が居住者の過半数を占めるマンションもあります。新宿のヤクザの拠点を紹介します。付近での調査の際は気をつけてください。

  • 大昇會 二代目大昇會(だいしょうかい)は東京都新宿区歌舞伎町1-13-2に本部を置く暴力団で、指定暴力団・住吉会の三次団体。上部団体は十三代目幸平一家。
    • 通称、新宿の薬局と呼ばれる暴力団事務所です。歌手のASUKAに麻薬を販売したことでも有名です。
  • 津波組(つはぐみ)は東京都新宿区歌舞伎町2丁目19-17 協西ビルに本部を置く暴力団で、住吉会の三次団体。上部団体は向後睦会。
  • 伊勢組(いせぐみ)は東京都新宿区歌舞伎町1-13-7 コマビル402に本部を置く暴力団で、住吉会の四次団体。上部団体は十三代目幸平一家・幸友会。
  • 真誠会二代目(しんせいかい)は東京都新宿区歌舞伎町1-3-14に本部を置く暴力団で、極東会の三次団体。上部団体は松山連合会。
  • 加藤連合会(かとうれんごうかい)は東京都新宿区歌舞伎町2-2-21 ライオンズマンション歌舞伎町1303に本部を置く暴力団で、住吉会の三次団体。上部団体は十三代目幸平一家。
    • このマンションは、通称、ヤクザマンションと呼ばれています。3棟の建物が連結した複雑な構造のマンションで、出入り口が3箇所あります。このマンションはオートロック式ではありませんが、管理人が24時間常駐しています。調査対象の部屋の出入りの確認は非常に難易度が高い作業となります。
  • 松山連合会(まつやまれんごうかい)は東京都新宿区歌舞伎町2-18-12 松山ビルに本拠を置く暴力団で、指定暴力団・極東会の二次団体。複数の一家の連合体であり、現在の極東会の中核団体。旧眞誠会。
  • 義勇会(ぎゆうかい)は、東京都新宿区歌舞伎町2-19-17-305に本部を置く日本の暴力団で、指定暴力団・住吉会の三次団体。上部団体は幸平一家。

闇社会の連鎖

歌舞伎町経済の中心は風俗営業です。風俗営業店の背後に闇社会が寄生していて、ある種、闇社会との入り口となっています。関連するスカウト、キャッチ、風俗嬢、ホスト、といった者たちが、裏社会との媒介者になっていることがしばしばあります。

スカウトが風俗嬢をリクルートします。客引き(キャッチ)が顧客を店に誘導します。ヤクザが風俗営業店からみかじめ料を取ります。風俗嬢はホストクラブへ通います。半グレがスカウト、キャッチ、ホスト、風俗店経営、AV会社経営に進出しています。ヤクザはぼったくりバー、闇カジノ、闇風俗店等の闇営業店舗への顧客誘導をキャッチに依頼します。ヤクザはスカウト、キャッチ、ホスト、AV関係者などの半グレを、準構成員にリクルートしています。

歌舞伎町に関係した調査

歌舞伎町に関係する案件としては以下のものが過半数を占めます。

  • ホステスやホストに絡む男女トラブルの案件
  • 家出して歌舞伎町で働く親族の所在捜索
  • 夜遊びする著名人の身辺調査等
  • 海外のエンターテイナーのデューデリジェンス
  • フロント企業の反社チェック

歌舞伎町での張り込みと車両規制

客引き行為は違法行為であるため、客引きたちやその雇用者、関係者は、警察のおとり捜査やジャーナリストの取材を常に警戒しています。特に麻薬密売、闇カジノ、ぼったくりバーに関係する客引きが、おとり捜査に引っかかると、麻薬密売、売春、賭博、恐喝等を組織しているヤクザや半グレがまとめて摘発対象となる可能性があります。そういう意味で、客引きたちは不審人物を見つけると過剰反応し、裏組織の応援を呼ぶ場合もあります。

歌舞伎町の一部の大通りでは、車両での張り込みが可能です。しかし店舗が密集しているエリアでは、ほとんどの場合、車両での張り込みが困難となります。歌舞伎町では、タクシーや車両の通行規制時間帯などは設定されていませんが、狭い路地が多いため車両を停車させておくスペースがない場所がほとんどありません。

もし、客引きから不審がられた場合は、探偵であると身分を明かして、歌舞伎町で働いている依頼者の娘や息子の捜索案件に従事している等と、真の調査目的を偽装して対応するのも一考です。

東京都内における調査はJapan PIへ

他の繁華街でも同じことですが、探偵業者としては、聞き込みや張り込みをする際に、闇社会の連中に被害妄想を起こさせないよう注意する必要があります。東京の探偵業者は、こういった複雑な土地の事情を踏まえた上で調査を行う必要があります。

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