吉原は、東京都台東区4丁目の一帯にあるソープランド街です。この一体は駅から近いわけではなく、多くの場合、客は予約したソープランドの送迎か、タクシーで目的の店に行きます。ですから、尾行張り込みの素行調査をしている時に、対象者が吉原へ行く起点となるいくつかの駅に立ち寄った時には、風俗遊びをする想定しなければなりません。もちろん交通費を節約するためや、吉浦に入ってから遊ぶ店を決めるということで、歩いて吉原へ向かう可能性もあります。
吉原の周辺駅と注意点
送迎車やタクシーを利用し、ターゲットが吉原へ向かう可能性のある駅は、以下の駅となります。
- 鶯谷駅
- 上野駅 (入谷口）
- 日暮里駅
- 入谷駅
- 三ノ輪駅
- 田原町駅
- 浅草駅
- 南千住駅
東京の探偵なら、追跡の行動調査中に対象者がこうした駅で下車した時は、緊張が走ります。対象者は吉原へ行くために、いきなり送迎の車両に飛び乗ったり、タクシーを捕まえたりする可能性が高いわけです。
吉原のソープランド街からは少し外れていますが、東京都台東区千束4-3-1に、暴力団の5代目国粋会（六代目山口組の二次団体）があります。この付近での張り込みは要注意です。
また、吉原に足を踏み入れた対象者が、付近の喫茶店に立ち入る場合があります。これらは喫茶店と表記されていますが、実質的にソープランドの案内所となっています。店内にはソープランドの従業員女性の写真カタログが置いてあり、顧客のニーズに合った店を紹介することで手数料収入を得ています。店舗の予約で送迎車両を呼ばない人物は、吉原の喫茶店に先に立ち寄り、紹介を受けてから店舗を選ぶ場合があります。
ソープランドは売春宿ではなく「特殊浴場」
売春は、売春防止法で違法とされています。ソープランドは、建前として、特殊サービス付き浴場とされています。浴場に来た顧客に、マッサージ等のサービスをする女性が奉仕するということになっています。ただし、女性は、顧客とすぐに恋愛関係となり、性的行為を行うことになります。ですから、ソープランドに違法性はなく、保健所の管理化に置かれています。
違法な売春ではないので、反社会勢力が実質的な支配者となっていることはありません。また、現行では、新規のソープランドの開業が許可されることはありません。したがって、ソープランドの経営には非常に複雑な利権が絡んでいます。営業に関係する利権の中には、反社会勢力が関与している部分もあるとの噂がありますが、真相が表に出ることはほどんどありません。
吉原での張り込み・潜入
対象者が吉原のソープランドに入ってる間の張り込みは、車両を用意しないと困難です。ソープランドの店頭には必ず呼び込みが立っています。吉原の一角の周辺部にある店であれば、徒歩で張り込みをすることも不可能ではありません。しかし周辺部以外の店ではソープランドが数珠繋ぎに連なっているため、呼び込みの目から逃れることはできません。男性の調査員がいれば、客だと思って呼び込みが必ず声をかけてきます。ですから、張り込み用の車両やタクシーなどを用意して、車内で張り込みをする方が無難なのです。
女性の調査員は目立ちすぎて張り込みが困難です。ソープランドで勤務している女性は、出勤と退勤以外で出入りすることはありません。また、従業員用の目立たない小さな出入り口が目立たないところにあるのが普通で、従業員の女性はさりげなく店を出入りし、路上で立ち止まることはまずありません。ということで、女性調査員が徒歩で吉原で張り込みをすることはほぼ不可能です。3分ほど立ち止まっているだけで呼び込みの目に止まり、注目の的になるでしょう。
ソープランドで遊ぶ対象者を追跡するのとは別に、トラブルを抱えたソープランドの従業員女性を追跡するニーズもあります。この場合、従業員用の出入り口から出た対象者を瞬間に特定する必要がありますが、これは非常に困難な作業となります。店からゆっくり堂々と出る女性はほとんどありません。うつむき加減で、足早に戸外へ出る女性がほとんどです。また、すぐに送迎の車両やタクシーに乗り込む女性も多いです。張り込みの際には車両を用意して、間近で人物の顔を目撃できるポジショニングが必要です。
ソープランドの従業員女性は顔写真を広告に出す人と出さない人がいます。広告に顔を出していても、通常は写真が修正されているため、店の外で本人特定する時には使えない場合が多いのです。人物特定のために、男性調査員が顧客として潜入する場合もあります。調査員が若い独身男性の場合、これを役得として喜ぶ可能性もありそうですが、潜入調査を志願した場合のミスは許されません。探偵調査員にとっては、そうしたプレッシャーを抱えての潜入調査となるわけです。
ソープランドでの調査が発生するケース
高級ソープランドの顧客には、政財官界の大物や著名な芸能人やスポーツ選手、そして、接待で招待された国外からのVIPまで、幅広い客層が存在します。ソープランドの従業員女性には、元タレントや著名人の令嬢がいたりもします。著名人のスミアキャンペーンやゴシップ狙いの探偵調査依頼が入ることもありえます。
1988年公開の日本映画「マルサの女2」では、国税局の調査官が、ソープランドに潜入調査し、オーナーのマネーロンダリングを幇助している従業員女性の情報を聞き出す場面があります。32店舗のソープランドを経営する角海老グループの創業者は、政財界に太いパイプを持つフィクサー的な人物でした。政財界の重鎮も接待にソープランドを利用することがあり、角海老グループの創業者は様々な便宜を図ってソープランドの帝王と呼ばれる地位に上り詰めました。角海老グループは、宝石販売やボクシングジムの経営も手掛けています。
角海老グループの創業者は、幾度となく売春防止法での摘発を受けましたが、一回も起訴されたことがありません。2代目社長は数年前に摘発を受けましたが、これは、無届けの風俗案内所を開いていたことが原因でした。
ソープランド従業員の調査
ソープランドの従業員女性を追跡するニーズとしては、親族からの依頼で風俗店に勤務しているかどうかを確認する場合もあります。ソープランドの従業員女性は勤務が終わってから歌舞伎町のホストクラブなどへ直行して、今度は自身が客として遊ぶ人物も多くあります。常連顧客からの依頼で、贔屓の女性が店を移籍したり足を洗った後でも確実に再会できるために、自宅住所を割り出し、本名と身元を確認したいというニーズもあります。
ソープランドの従業員女性も、長く同じ店に在籍すると偏執的な常連客が出てきて、しがらみが発生するケースがあります。そのような場合、吉原の従業員は川崎の堀之内や岐阜の金津園、神戸の福原、札幌のススキノなどへ渡り鳥のように急に移動することがあります。
東京都内における調査はJapan PIへ
尾行・張り込み調査においては、エリアごとの特徴やよくある行動パターン、陥りやすい失敗、暴力団の存在などを熟知している必要があります。さらに、複数のエリア行き来する対象者をカバーするために、一般道や高速道路はもちろん、鉄道の駅などの公共交通機関も詳細に把握しなければなりません。
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